ほとんどの探偵は恰好よくスムーズに事件を解決しますよね。
探偵とはそういった存在だとテレビや映画のイメージで決めつけてしまっている人は多いです。
ですが、現実はそんな単純なものではありません。
また、探偵と警察の違いをはっきりと理解している人は多くありません。
ここでは探偵と警察の違いについてまとめてみました。
探偵は民事で警察は刑事と言えます。
たとえば、家族などがいなくなって探してもらいたいとすると、未成年などで犯罪に巻き込まれたかもしれない場合には刑事なので警察が調査のため動きます。
ですが、成人の場合は単純に家出というケースが多いので民事となり、探偵しか調査できないということになります。
また、以前はストーカー事件において、警察の初動が遅い、捜査が悪いなどとよく言われましたが、これは刑事法上法律に反しているわけではなかったために、警察も動けないという事情が根本にありました。
今はストーカー規制法の制定で警察もある程度動けるようになっていますが、それでもストーカー行為の証拠がきちんと揃っていないと、警察は動くことができないケースが多いです。
こういった場合でも探偵なら証拠集めに動くことができます。
刑事や民事などと言われてもイメージできないかもしれませんが、分かりやすく言うと、警察に相談しても動いてもらえないものは探偵のジャンル・・だということですね。
探偵は調査において、特別な権限を持っているわけではありません。
他人の依頼を受けて「人の所在又は行動について」「面接による聞き込み、尾行、張り込み」などを行うのに、原則探偵業者としての届出を必要としますが(報道機関など適用外のものもあります)、調査できるのは一般人と同じく法に則った範囲内でのみです。
しかし、警察には「捜査権」と「逮捕権」が認められています。
事件がひとたび発生すれば、敷地内に入っての捜査や個人情報の入手などを合法的に行うことができるのです。
ですが、警察であっても調べることができないものがあります。
たとえば、事件前の調査です。
家族が突然行方不明になったとして、それを心配した家族が警察に失踪届を出しても調査をしてもらえないことが少なくありません。
特に成年の失踪は、未成年や高齢者と違って「事件性が低い」「急を要さない」と判断されることが多いため、その傾向が顕著です。
このような場合、実際に事件が起こってからでないと警察は動きません。
次に、民事事件についてです。たとえば、浮気が挙げられますが、浮気をされていると思って警察に頼んだところで調べてもらえるはずもありません。
その理由は警察は民事不介入という決まりがあり、浮気は民事なので警察の調査範囲外だからです。
前項でご紹介したとおり、特別な捜査権を持つ警察であってもできない調査があります。
探偵は、その「できない部分」を補っているといっても過言ではなく、探偵と警察の調査範囲は棲み分けられています。
- 不倫や浮気の調査
- 家出人や失踪人の捜索
- ご近所トラブルの証拠集め
- いじめの証拠集め
- 雇用や結婚の身元調査
- 盗聴器発見調査
- 殺人、傷害、詐欺事件など刑事事件の捜査
- 行方不明者の広域捜査
- 組織犯罪捜査
探偵に調査を依頼するメリットにはどういったものがあるのでしょう。
- 事件性の有無に関係なく調査が可能
- 「事件」として認知させるための証拠を取得できる
- 金銭がかかる分、調査への熱量がある
また、警察は「証拠」がなければ動いてくれないケースも少なくありません。
ストーカー事件などがその最たる例です。
ストーキング行為などは現行犯として捕まえにくく、立証が難しいため、いざ警察が介入したときには被害がエスカレートした後だったということが多々あります。
探偵は、そうなる前に、ストーキングの証拠を集めることができます。
その証拠が、「事件」としての認知につながり、警察を動かす一手になります。
そして、警察と探偵の大きな違いとして金銭がかかるかどうかがあるでしょう。
警察は公的機関のため捜査にお金はかかりませんが、探偵は調査費用がかかります。
依頼として金銭の授受がある分、探偵は1つ1つの依頼に全力で応えます。
しかし、警察は必ずしもそうはいきません。
常に事件が起こっているため、よほどの重大事件でない限り、警察が1つの事件にかかりきりということはまずないのです。
これまで探偵と警察の違いについてピンと来なかった方もこれでご理解していただけたのではないでしょうか?
また、探偵は警察が調査できないことも時間や人員をさいて調べることができる存在だ・・ということをお分かりいただけたと思います。
もし、今後なんらかの理由で探偵に調査を依頼したいということがあったら、ここでご紹介したことを思い出していただき役立ててください。