配偶者の浮気の証拠を掴みたい、行方不明になった人の居場所をつきとめたい、あの人の素性を知りたい、そういった場合、探偵への依頼を検討される方もいるでしょう。
なんでも屋というイメージが強い探偵ですが、実際には、探偵といえども、できない調査はあります。
探偵が違法な調査を行った場合に、状況によっては、依頼者も共犯になる可能性もあります。
今回は、どのような調査が違法になるのか?について解説していきます。
探偵への依頼をお考えなら、事前に知っておいた方が、トラブルを未然に防げるでしょう。
他にも、探偵業者の問題点等、有益な情報も掲載しましたので、ぜひ最後までお読みください
探偵の営業方法の中には、違法とまで言えないまでも、問題のある行為が多数あります。
ランキング上位の業者から、アフィリエイト報酬という名目で紹介料をもらう。
問題なのは、探偵のランキング根拠や、紹介の優先順位が、アフィリエイト報酬の額や紹介料の額というケースが目立ち、そして、高額な報酬を支払える探偵は、料金も割高である事。
同じ内容の調査でも、A社は、50万円、B社は、250万円という恐ろしい程の料金の違いがある場合があります。
1日6時間程度の行動調査の場合、探偵の料金相場は、10〜15万円程度ですが、高い探偵は、30万円もします。(調査員2名、車両込み、機材込みの全部込みの料金です)
また、通常の調査は、調査員2名が基本ですが、3人、4人、5人と人数を無駄に増やして、その分の探偵料金を取る手口が多いので注意が必要です。
もっと酷いケースでは、電話で料金を聞いても、調査員1名分の料金しか言わず、後で、4人分かかるので4倍ですと言われるケースもあり、人数に注意する事が不可欠です。
こちらは、違法と言えるレベルです。
探偵の調査員が1名で行動してるのに、3名使いましたと言って、3名分の料金を徴収する方法です。
詐欺行為ですが、かなり多くの探偵で行われてるようなので気を付けましょう。
探偵は、他の業種よりも、顧客から、いろんな方法で、料金を取る手段が発達していると聞きます。
おかしな点がないか、よく注意しましょう。
まず、探偵の調査は、どこからが合法でどこからが違法になるのか、について確認しておきましょう。
つまり、誰でもなろうと思えばすぐに探偵になることができるのです。
とはいえ、「じゃあ、明日から探偵を名乗ろう」と決めることはできません。
合法的に探偵業を営むためには、探偵業法に基づき、
きちんと公安委員会に「探偵業開始届出書」を提出することが義務付けられています。
届出書を出すと、届け出番号が割り振られます。
通常、探偵事務所のHPなどには、
「きちんと届け出を出して合法的に営業をしていますよ」と
伝えるためにこの届け出番号を記載しています。
記載していない探偵事務所は、届け出を怠っている可能性があるので注意が必要です。
届け出を出さずに探偵業務を行った場合、探偵業法違反で「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます。
届け出を出していないと、どんなに法律に則った調査をしていても
「合法的に活動している探偵事務所」だとは言えないのです。
探偵業者に依頼をされる際には「探偵業届出証明書」を必ず確認しましょう。
最近は、結婚詐欺じゃないか心配だからとか、婚活サイトで知り合った方が本当に本人が言うような経歴の持ち主かどうか、といった場合に、探偵へ調査を依頼される方が多いのではないでしょうか。
やはり、探偵事務所への依頼で多いのは、 「浮気調査・素性調査・行方不明者調査」などです。
素性調査自体は違法ではありません。
探偵が、対象者の「婚姻歴・学歴・職歴・人柄や評判・異性関係・借金の有無」を調べるのは合法です。
ただし、違法だとみなされる素性調査も存在し、探偵がやってはいけない素性調査があります。 それが、「差別につながる調査」です。
日本国憲法で、差別を助長する行為については認められていません。
たとえば、特定地域の出身であるかどうか調べること、過去の犯罪歴などを調べること、親が帰化した人物であるか否か、 そういった調査は、差別を助長する恐れが著しく高いため、探偵は依頼を受けられないのです。
探偵事務所は、聞き込みや張り込みで情報を得るだけでなく、秘密裏に対象者の浮気現場の撮影を行ったり、盗聴器を使って証言を押さえることで証拠を掴みます。
ここで気になるのは、「それは盗撮・盗聴じゃないの?」「盗撮や盗聴は犯罪なんじゃないの?」ということでしょう。
探偵が行う盗撮や盗聴には、合法である場合と違法になる場合とがあります。
探偵が、依頼人に頼まれて、依頼人の自宅や車に盗聴器を仕掛けることは違法ではありません。
しかし、たとえ依頼人に頼まれたとしても、依頼人以外の第三者の私有地や所有物に盗聴器を設置した場合は違法になります。
肝要なのは、「依頼人の許可があること」「依頼人以外の第三者の私有地・所有物を侵さないこと」なのです。
実は、盗聴・盗撮という行為自体を取り締まる法律はありません。
問題になるのは、その行為が他の法律に触れるかどうかなのです。
たとえば、依頼人の配偶者ではなく浮気相手の自宅や車に盗聴器を仕掛ければ、それは第三者なので、家宅侵入や器物損壊などの罪に問われてしまうのです。
これが夫婦間の盗聴・盗撮であれば、「自宅」「夫婦の所有物」となるため、そうした罪に問われることがありません。
そのため、探偵が探偵事務所の所有しているバンの中から、浮気相手とラブホテルに入って行くところを撮影しても犯罪ではありませんが、 浮気相手の自宅の庭に忍び込んで、浮気相手の自室内で抱擁しているところを撮影した場合、罪に問われます。
実際、私有地にカメラを仕掛けてしまったことによって、行政処分を受けた探偵社もありますので、 カメラの設置などは、そういった法に抵触しないところに仕掛けます。
このように、法を破って手に入れた浮気の証拠は、裁判では無効として扱われますし、逆に家宅侵入罪で訴えられてしまう可能性もあるのです。
張り込み・尾行をする目的は、証拠として写真撮影をするためや、素性調査などです。
漫画やアニメでは。刑事がやっているイメージかもしれませんが、張り込みや尾行は、探偵が多く行います。
探偵が、張り込みや尾行を行う事は、違法ではありません。
ストーカー行為規制法違反ではないか?
と疑問に思う方もいるかもしれませんが、依頼を受けて仕事として尾行・張り込み調査をしている正規の探偵は、ストーカー行為の定義には当てはまりません。
ストーカー行為とは、つきまとい行為を繰り返し行うことをいいます。
ストーカー行為規制法の規制対象となる、つきまとい行為とは、特定の相手に対する恋愛感情やその他の好意・感情またはそれが満たされなかったことに対する恨みなどの感情を目的にする行為に、限られます。
ですから、依頼を受けた探偵が行う、張り込み・尾行は合法です。
しかし、調査の方法や目的によっては、違法・犯罪となります。
“3.盗撮・盗聴” の項目でも説明しましたが、探偵が他者の私有地に入ってしまったりすると、家宅侵入罪となります。
探偵が張り込みや尾行を車でする際には、交通ルールなども注意しないといけません。
例えば、尾行が対象者にバレてしまい、対象者に恐怖感を与えてしまった場合は通報されかねませんので、そういったことにも探偵側は常に気を配らないといけません。
調査対象についての情報を探るため、探偵は、聞き込みを行う場合があります。
素性調査における、対象者の人柄や評判などについての調査ですね。
調査対象者が接客の仕事をしていれば、直接客として訪ねて、同僚などから聞き込み調査をすることもあるでしょう。
また、近所や、通っていた学校など、聞き込む対象は依頼内容によっても様々です。
探偵の、聞き込み調査自体は犯罪ではありません。
犯罪になるのは“不正な成りすまし”を行うことです。
どうやら少し前の探偵は、警察官を名乗って聞き込みすることもあったそうですが、これは官名詐称に当たります。
もちろん犯罪です。
また、住所などの情報を得るために宅配業者を装い、聞き込み調査をする探偵もいるそうです。
これは探偵業法に抵触しますので罰せられます。
最近ですと、実際に探偵業者が、ガス会社に対して利用者の苦情を装い、個人情報を得た事件がありました。
これは不正競争防止法違反(営業秘密侵害)で逮捕されています。
探偵が、警察官などを装ったりして聞き込みを行ったり、 会社や市役所などに、調査対象者や、その家族などに成りすまして、個人情報を得ることは犯罪です。
こういった調査は、まともな探偵なら行いません。
探偵事務所は、どんな調査でも引き受けられるわけではありません。
犯罪を助長する目的である依頼を受けた場合は、罰せられます。
たとえば、行方不明者を探して欲しいと、 依頼してきた依頼者がストーカーだと判明した場合には、 探偵事務所は依頼を受けてはならないのです。
また同じように、DVにより身を隠したパートナーを探す、などという依頼についても、 探偵は受けてはいけません。
依頼する側は、きちんと自分の依頼したい内容が犯罪ではないかということを考えて、依頼しましょう。
探偵事務所は、どんな調査でも引き受けられるわけではありません。
犯罪を助長する目的である依頼を受けた場合は、罰せられます。
たとえば、行方不明者を探して欲しいと、 依頼してきた依頼者がストーカーだと判明した場合には、 探偵事務所は依頼を受けてはならないのです。
また同じように、DVにより身を隠したパートナーを探す、などという依頼についても、探偵は受けてはいけません。
依頼する側は、きちんと自分の依頼したい内容が犯罪ではないかということを考えて、依頼しましょう。
ただ、ストーカーやDV加害者は、絶対に自らの目的を隠して依頼しようとします。
従って、探偵側はどんな依頼も、 罰せられたり、探偵業法により業務停止になってしまうようなことがないよう、 引き受ける前に、じっくりと依頼者の真の目的を聞き出す必要があるのです。
探偵業者は、業務上に知ることができた情報、他人の秘密を漏らしてはいけません。
国家公務員や医療従事者にも守秘義務はありますが、探偵業に従事する者にも守秘義務がきちんとあります。
探偵が、依頼者以外にうっかり口を滑らせてしまったり、街中で電話をして依頼内容を誰かに聞かれてしまう、などは探偵業法における、秘密の保持等第十条に反します。
また、得た情報を用いて人を恐喝したり、個人の利益になるようなことをしたら立派な犯罪です。
恐喝罪は、誰か他人のために行ったとしても犯罪です。
また、「会社に報告するぞ」などと告げ、土下座などの行為を強要するといった場合は、強要罪に抵触します。探偵業者、探偵会社ができるのは、あくまで調査です。
その調査の情報をもとに一緒になってターゲットを懲らしめてほしい、などの依頼は探偵にできません。
探偵に調査を依頼する際には、次のような点に注意しておく必要があります。
- 探偵業の届出を出している業者かどうか
- 重要事項説明書や契約書を交付してくれるか、内容に不安な点はないか
- 調査報告書はどのような形で出されるのか
探偵に調査を依頼する上で何よりも大切なのは、きちんと届出が出ているかどうかの確認でしょう。
違法な調査を進んでしているような探偵事務所は未届けの可能性が高く、 そういった探偵事務所に依頼してしまっては、後々面倒なことになります。
また、探偵業法により、探偵業者は、依頼者と契約を締結するときは、書面を交付して説明しなければならないという義務があります。
この説明や交付を怠るような業者は、真っ当な業者でない可能性が高いです。
たとえ説明や交付があっても、書面に目を通すことを妨げたり、契約を急がせるような業者も注意が必要です。後に、書いている内容と実際の調査内容が違う、というトラブルが起こりやすいです。
そして、探偵が行う調査全般においてですが、 事前にどういった調査報告書がもらえるのかのサンプルを探偵社に見せてもらうほうがいいでしょう。
目的によっては、裁判の重要な証拠として扱う可能性がありますから、きちんと証拠になる調査報告書かどうかは、大切な判断ポイントです。
いいかげんな調査報告書を出すような探偵事務所は信頼に値しません。
その他にも、探偵や興信所の選び方や、被害相談については、下記サイトも参考にして下さい。