失踪届と捜索願は届け出の出し方が全然違う！
失踪届と捜索願、字面だけ見ると似たような届け出に見えるかもしれませんが、
実際にはその目的も出し方もまったく異なります。
今回は、失踪届と捜索願の違いや出し方について説明していきます。
失踪届と捜索願の目的の違いとは？
まずは、失踪届と捜索願の目的について確認しておきましょう。
・捜索願を出す目的とは？
捜索願を出す目的は、警察に行方不明になった人物の捜索をしてもらうためです。
警察に捜索願を出し、「特異行方不明者」（誘拐の恐れがある場合は、子供や老人など、一人で生活していくのが困難だと判断された人）と認定されれば、ただちに捜索が開始されます。
大人の行方不明者で、特に事件性がない場合には、「一般家出人」に分類され、警察が特別に捜索に乗り出してくれる、ということはありません。
ただし、警察のデータベース上に行方不明者として登録されるため、警察官が行方不明者を見つけた場合、捜索願を出した人のもとに、「〇〇付近で見かけました」など、情報が行くようになっています。
また、行方不明になっている当事者にも捜索願が出ていることを伝え、探している人に連絡することを促してくれます。捜索願とは、その名の通り、捜索を願い出る目的で提出するものなのです。
・失踪届を出す目的とは？
一方、失踪届を出す目的は、行方不明となり、連絡がとれなくなった人を、死亡者扱いにしてもらいたい場合に、市町村に届け出るものです。
たとえば、「保険金を受け取りたい」「連絡が取れなくなった夫と離婚したい」といった場合に提出されます。
失踪届と捜索願の出し方とは？
次に、失踪届と捜索願の出し方についてみていきましょう。
捜索願は、血縁がなくとも、親しい人や雇用関係などがあれば出すことが可能です。
捜索願を出す警察署は、「対象者が行方不明になった場所を管轄する警察署」「対象者が住んでいた場所を管轄する警察署」「届け出る人の住所の警察署」いずれかにしましょう。持ち物は、免許証や保険証、パスポートなどの身分証と印鑑だけでOKです。
もしあれば、行方不明者の顔や体型がしっかりと分かる写真なども持参しましょう。
警察署に行き、「行方不明者を探して欲しいので、捜索願を出したいのですが」といえば、捜索願の記入用紙をもってきてくれます。記入例にしたがって埋めていくだけで完成です。
大切なことは、なるべく細かく、正確に事実を書くということです。
記入内容は、「行方不明者の住所、名前、誕生日、体型、容姿の特徴、行方が分からなくなった日時や場所、そのときにどんな服を着ていたか、行方不明者に病気はあるか、薬物を利用した過去はあるか」などです。
わからないところは、とばして、全て埋めなくてもかまいませんが、情報は多ければ多いほどいいでしょう。記入し、警察署に提出したら終わりです。
提出したあと、「特異行方不明者」と判断されれば、警察はすぐに捜索に乗り出してくれます。
「一般家出人」だと考えられる場合は、残念ながらすぐに捜索はしてもらえません。どうしてもすぐに見つけたい、という場合には、探偵事務所や興信所などに依頼するというのも一案です。
探偵事務所などに依頼する場合は、料金が高額になりがちですので、事前にしっかりと契約書を確認するようにしましょう。
行方不明になってしばらく帰ってこないからといって失踪届はそう簡単に出せるものではありません。
失踪届を出すためには、家庭裁判所から失踪宣告を受ける必要があるのです。失踪宣告を受けるためには、「戦争や災害、事故のために１年間生死が不明になっている」または、「家出や蒸発によって７年間生死が不明になっている」のどちらかの条件に当てはまっている必要があるのです。
失踪宣告を受けて初めて、失踪届を出す権利が認められます。
失踪届けは、「行方不明者の家族、配偶者、婚約者、相続人、財産管理人」に出す権利があり、その他の人は勝手に出すことはできません。
家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをし、家庭裁判所の調査官から「行方不明者は亡くなったと認めます」と連絡がきたら失踪宣告は確定します。失踪宣告が確定したら、家庭裁判所に、確定証明書を出してもらうように依頼しましょう。
この確定証明書と審判書謄本を持って、市役所に失踪届を提出して完了です。
ここで覚えておかなくてはならない大切なことは、「必ず失踪宣告が確定してから１０日以内に市役所に行く」ということです。１０日以内に失踪届を提出しなければ、せっかくの失踪宣告が無効になってしまいます。失踪宣告を受けたら、ただちに失踪届を出しましょう。
・捜索願の出し方とは？
捜索願は、血縁がなくとも、親しい人や雇用関係などがあれば出すことが可能です。
捜索願を出す警察署は、「対象者が行方不明になった場所を管轄する警察署」「対象者が住んでいた場所を管轄する警察署」「届け出る人の住所の警察署」いずれかにしましょう。持ち物は、免許証や保険証、パスポートなどの身分証と印鑑だけでOKです。
もしあれば、行方不明者の顔や体型がしっかりと分かる写真なども持参しましょう。
警察署に行き、「行方不明者を探して欲しいので、捜索願を出したいのですが」といえば、捜索願の記入用紙をもってきてくれます。記入例にしたがって埋めていくだけで完成です。
大切なことは、なるべく細かく、正確に事実を書くということです。
記入内容は、「行方不明者の住所、名前、誕生日、体型、容姿の特徴、行方が分からなくなった日時や場所、そのときにどんな服を着ていたか、行方不明者に病気はあるか、薬物を利用した過去はあるか」などです。
わからないところは、とばして、全て埋めなくてもかまいませんが、情報は多ければ多いほどいいでしょう。記入し、警察署に提出したら終わりです。
提出したあと、「特異行方不明者」と判断されれば、警察はすぐに捜索に乗り出してくれます。
「一般家出人」だと考えられる場合は、残念ながらすぐに捜索はしてもらえません。どうしてもすぐに見つけたい、という場合には、探偵事務所や興信所などに依頼するというのも一案です。
探偵事務所などに依頼する場合は、料金が高額になりがちですので、事前にしっかりと契約書を確認するようにしましょう。
・失踪届の出し方とは？
行方不明になってしばらく帰ってこないからといって失踪届はそう簡単に出せるものではありません。
失踪届を出すためには、家庭裁判所から失踪宣告を受ける必要があるのです。失踪宣告を受けるためには、「戦争や災害、事故のために１年間生死が不明になっている」または、「家出や蒸発によって７年間生死が不明になっている」のどちらかの条件に当てはまっている必要があるのです。
失踪宣告を受けて初めて、失踪届を出す権利が認められます。
失踪届けは、「行方不明者の家族、配偶者、婚約者、相続人、財産管理人」に出す権利があり、その他の人は勝手に出すことはできません。
家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをし、家庭裁判所の調査官から「行方不明者は亡くなったと認めます」と連絡がきたら失踪宣告は確定します。失踪宣告が確定したら、家庭裁判所に、確定証明書を出してもらうように依頼しましょう。
この確定証明書と審判書謄本を持って、市役所に失踪届を提出して完了です。
ここで覚えておかなくてはならない大切なことは、「必ず失踪宣告が確定してから１０日以内に市役所に行く」ということです。１０日以内に失踪届を提出しなければ、せっかくの失踪宣告が無効になってしまいます。失踪宣告を受けたら、ただちに失踪届を出しましょう。
さいごに
今回は、捜索願と失踪届の役割の違いと、提出方法の違いについて解説してきました。行方不明者を探したいときは警察署に捜索願を出し、死亡したという証明が欲しい場合は市役所に失踪届を出す、と覚えておきましょう。
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